ExcelのTIME関数の使い方をわかりやすく解説します。TIME関数は、時、分、秒をそれぞれ指定すると、繋げて時間に変換できる関数です。時間の入力や計算、24時間以上の時間の表示などの方法を紹介します。
TIME関数とは？
TIME関数とは、「時」「分」「秒」の引数に指定した数字を、時間のシリアル値として表示する関数です。TIME関数を使うと、例えば画像左の表のようにバラバラのセル内に入力された数字を、赤い矢印で示したような時刻としてまとめて表示することが出来ます。
時間のシリアル値とは、Excelにおいて時間を数値に置き換えたものです。24時を「1」、12時を「0.5」というように1以下の数で時間を表します。画像では、F3のセルに「B3とC3とD3に入力された数値を時刻としてまとめて、シリアル値で表示する」という数式が入っています。このようにTIME関数で表示された時刻は、時間のシリアル値で表示されるため、必要であれば表示形式を時刻に変更しましょう。
TIME関数の書式
TIME関数の書式は「=TIME (時,分,秒)」のように記述し、3つの引数を使用します。引数を1つずつ確認していきましょう。
- 第1引数（時）：0から23の数値で「時」を指定します。24以上の数値を入力すると、その数値を24で割った余りが「時」の引数として処理されます。
- 第2引数（分）：0から59の数値で「分」を指定します。60以上の数値を入力すると、「時と分」として処理されます。
- 第3引数（秒）：0から59の数値で「秒」を指定します。60以上の数値を入力すると、「分と秒」として処理されます。
TIME関数の使い方
TIME関数の使い方について、いくつかの例を見ていきましょう。
セルの時分秒から時間に変換する
セルに入力された時分秒を時間に変換します。
| A | B | C | D | E |
| 時 | 分 | 秒 | 時刻 | 数式 |
| 1 | 30 | 59 | 1:30:59 | =TIME(A2,B2,C2) |
| 12 | 0 | 0 | 12:00:00 | =TIME(A3,B3,C3) |
| 23 | 59 | 59 | 23:59:59 | =TIME(A4,B4,C4) |
| 24 | 0 | 0 | 0:00:00 | =TIME(A5,B5,C5) |
| 25 | 0 | 0 | 1:00:00 | =TIME(A6,B6,C6) |
入力した時分秒から時間に変換する
時分秒を入力して時間に変換します。数式や関数に直接時間を入力するのに使用します。
| A | B |
| 時刻 | 数式 |
| 1:02:03 | =TIME(1,2,3) |
| 12:00:00 | =TIME(12,0,0) |
| 23:59:59 | =TIME(23,59,59) |
| 0:00:00 | =TIME(24,0,0) |
| 1:00:00 | =TIME(25,0,0) |
時を指定して時間に変換する
時を指定して時間に変換します。時単位を時間に変換するには 時 / 24 のように入力します。24時間以上の値も時間にできます。
| A | B | C | ||
| 時 | 時刻 | 数式 | ||
| 1 | 1:00:00 | =TIME(A2,0,0) | ||
| 12 | 12:00:00 | =TIME(A3,0,0) | ||
| 23 | 23:00:00 | =TIME(A4,0,0) | ||
| 24 | 0:00:00 | =TIME(A5,0,0) | ||
| 25 | 1:00:00 | =TIME(A6,0,0) | ||
| 1 | 1:00:00 | =A7/24 | ||
| 24 | 0:00:00 | =A8 |
| A | B | C | D |
| 区間 | 運賃 | 所要時間 | 備考 |
| 東京→大阪 | 13,620 | 2:30 | |
| 大阪→東京 | 13,620 | 2:30 | |
| 合計 | =SUM(B2:B3) | =SUM(C2:C3) |
答え：往復の交通費は27,240円、合計の所要時間は5時間です。
例題2：勤務時間に応じた給与を計算する
あなたは時給1,200円でアルバイトをしています。1週間の勤務時間と給与を計算してください。ただし、土日は時給が1.25倍になります。
| A | B | C | D | E |
| 曜日 | 出勤時間 | 退勤時間 | 勤務時間 | 給与 |
| 月 | 9:00 | 18:00 | =D2-C2 | =E21200 |
| 火 | 9:00 | 18:00 | =D3-C3 | =E31200 |
| 水 | 9:00 | 18:00 | =D4-C4 | =E41200 |
| 木 | 9:00 | 18:00 | =D5-C5 | =E51200 |
| 金 | 9:00 | 18:00 | =D6-C6 | =E61200 |
| 土 | 10:00 | 15:00 | =D7-C7 | =E712001.25 |
| 日 | 10:00 | 15:00 | =D8-C8 | =E81200*1.25 |
| 合計 | =SUM(E2:E8) | =SUM(F2:F8) |
答え：1週間の勤務時間は45時間、給与は57,000円です。
例題3：時間の差を計算する
あなたは日本からニューヨークに旅行に行きました。日本とニューヨークの時差は14時間です。日本で午前9時に出発したとき、ニューヨークでは何時でしょうか。
答え：ニューヨークでは前日の午後7時です。TIME関数を使って計算すると、=TIME(9,0,0)-TIME(14,0,0)となります。この計算結果は-0.208333となりますが、これは時間のシリアル値として表示されています。セルの書式設定で時刻に変更すると、19:00と表示されます。
まとめ
ExcelのTIME関数の使い方をわかりやすく解説しました。TIME関数は、時、分、秒をそれぞれ指定すると、繋げて時間に変換できる関数です。時間の入力や計算、24時間以上の時間の表示などの方法を紹介しました。また、時間の計算の例題もいくつか紹介しました。時間の計算はエクセルで簡単にできるので、ぜひ活用してみてください。
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