LEFT関数の基本的な書式と使い方
LEFT関数は、文字列の左側から指定した文字数を切り出すための関数です。以下に、LEFT関数の基本的な書式を示します。
LEFT(文字列, 切り出す文字数)
ここで、引数の意味は以下の通りです。
- 文字列:切り出す元の文字列
- 切り出す文字数:文字列の左側から切り出す文字数
以下に、LEFT関数の使い方の例を示します。
=LEFT("Hello, world!", 5)
この例では、“Hello, world!”という文字列の左側から5文字分を切り出します。結果として、「Hello」という文字列が得られます。
LEFT関数の書式と構文
LEFT関数の書式は、先に示した通り「LEFT(文字列, 切り出す文字数)」です。この関数に渡す引数には以下の点に注意してください。
- 文字列は、引用符(“”)で囲む必要があります。
- 切り出す文字数は、正の整数で指定する必要があります。
以下に、LEFT関数の構文の例を示します。
=LEFT(A1, 5)
この例では、セルA1の左側から5文字分を切り出します。
LEFT関数の使い方と注意点
LEFT関数は、主に文字列の一部を取り出すために使用されます。以下に、LEFT関数の使い方と注意点について解説します。
- 文字列の切り出し
LEFT関数は、文字列の左側から指定した文字数を取り出すことができます。たとえば、以下のように使用します。
=LEFT("Hello, world!", 5)
この式は、「Hello, world!」という文字列から左側から5文字分を取り出して、「Hello」という文字列を得ます。
- セル参照による使用
LEFT関数は、セルに入力された文字列を対象とすることができます。たとえば、以下のように使用します。
=LEFT(A1, 5)
この式は、セルA1に入力された文字列の左側から5文字分を取り出します。
- 切り出し対象文字列の長さに関する注意点
LEFT関数は、指定した文字数分を文字列の左側から取り出します。しかし、指定した文字数が文字列の長さを超えている場合、エラーが発生することがあります。
たとえば、以下のような式を使用した場合、
=LEFT("Hello, world!", 20)
指定した文字数が20であり、“Hello, world!”の文字数は13であるため、式は正しく処理され、文字列全体が返されます。つまり、以下のような結果になります。
Hello, world!
この例では、指定された文字数が文字列の長さを超えていないため、エラーは発生しませんでした。
ただし、指定された文字数が文字列の長さを超える場合は、エラーが発生します。たとえば、以下のような式を使用した場合、
=LEFT(“Hello, world!”, 30)
指定された文字数が30であり、“Hello, world!”の文字数が13であるため、エラーが発生します。エラーメッセージは、以下のようになります。
#VALUE!
このエラーは、LEFT関数が文字列の長さを超える数の文字を取り出そうとしたために発生します。このようなエラーを回避するには、指定された文字数が文字列の長さを超えないように注意する必要があります。
LEFT関数の活用法
LEFT関数を使った日付の加工方法
Excelで日付を扱う際、時刻部分を含めずに年月日の部分だけを抽出する必要がある場合があります。このときにLEFT関数を使うと、日付の特定の部分を抽出することができます。
たとえば、セルA1に「2022/03/15 14:30:00」という日付がある場合、次のような式を使って年月日の部分だけを抽出することができます。
=LEFT(A1, 10)
この式を実行すると、「2022/03/15」という文字列が抽出されます。
H3:LEFT関数を使ったCSVデータの整形方法
CSVファイルは、コンマで区切られたテキストファイルです。Excelでは、CSVファイルを開いたときに、データが一つのセルにまとめられてしまうことがあります。LEFT関数を使って、CSVファイルのデータをカンマで区切った列に分割することができます。
たとえば、セルA1に「apple,banana,orange」という文字列がある場合、次のような式を使ってカンマで区切った列に分割することができます。
=LEFT(A1,FIND(“,”,A1)-1)
この式を実行すると、「apple」という文字列が抽出されます。同様に、次の式を使うことで、「banana」と「orange」を抽出することができます。
=LEFT(RIGHT(A1,LEN(A1)-FIND(“,”,A1)),FIND(“,”,RIGHT(A1,LEN(A1)-FIND(“,”,A1)))-1)
LEFT関数を使った文字列の連結方法
LEFT関数を使うことで、複数の文字列を連結することができます。たとえば、セルA1に「Hello」という文字列、セルB1に「world」という文字列がある場合、次のような式を使って「Hello, world!」という文字列を作成することができます。
=LEFT(A1,5)&“,”&B1&“!”
この式を実行すると、「Hello, world!」という文字列が作成されます。
以上のように、LEFT関数を使って日付やCSVデータ、文字列の加工や連結を行うことができます。
LEFT関数を使った具体的な実例
LEFT関数を使った具体的な実例として、以下のようなものがあります。
- 日付の月を抽出する場合 日付のセルには、「2022/03/31」という形式で日付が入っているとします。この場合、LEFT関数を使って月を抽出することができます。
=LEFT(A1, 7)
この式を実行すると、「2022/03」という文字列が抽出されます。
- CSVデータの整形 CSVデータには、カンマで区切られた複数のデータが含まれています。これらのデータを整形するには、LEFT関数を使ってデータを切り出すことができます。
たとえば、以下のようなCSVデータがあるとします。
apple,banana,orange
この場合、左から2つのデータを抽出するには、以下の式を使います。
=LEFT(A1, FIND(“,”, A1, FIND(“,”, A1)+1)-1)
この式を実行すると、「apple,banana」という文字列が抽出されます。
- 文字列の連結 複数の文字列を連結する場合、LEFT関数を使って文字列を切り出し、CONCATENATE関数を使って連結することができます。
たとえば、以下のようなセルに文字列が入っているとします。
A1: Hello A2: World
この場合、LEFT関数とCONCATENATE関数を使って、文字列を連結するには、以下のような式を使います。
=CONCATENATE(LEFT(A1, 2), LEFT(A2, 2))
この式を実行すると、「HeWo」という文字列が抽出されます。
CONCATENATE関数の解説は下記を参考下さい。
LEFT関数を使った文字列処理の応用
LEFT関数とIF関数を組み合わせて文字列を分類する方法
LEFT関数とIF関数を組み合わせることで、特定の文字列が含まれているかどうかに応じて文字列を分類することができます。
例えば、A列に商品名が入力されている場合、以下のようにLEFT関数とIF関数を使用して、商品が「衣服」か「食品」かを分類することができます。
=IF(LEFT(A1,2)="衣服","衣服","食品")
上記の式では、LEFT関数でA1のセルから2文字分を抽出し、「衣服」と一致する場合は「衣服」、そうでない場合は「食品」と表示されます。
LEFT関数とMID関数を組み合わせて特定の文字列を抽出する方法
LEFT関数とMID関数を組み合わせることで、文字列の中から特定の文字列を抽出することができます。
例えば、A列にURLが入力されている場合、以下のようにLEFT関数とMID関数を使用して、ドメイン名だけを抽出することができます。
=MID(A1,FIND("://",A1)+3,FIND("/",A1,FIND("://",A1)+3)-FIND("://",A1)-3)
上記の式では、まずFIND関数で「://」の位置を検索し、その後MID関数で「://」以降の文字列を抽出します。次に、FIND関数で「/」の位置を検索し、その位置からFIND関数で「://」の位置を引いた値をMID関数の文字数として指定することで、ドメイン名だけを抽出することができます。
LEFT関数とLEN関数を組み合わせて文字列の長さを計算する方法
LEFT関数とLEN関数を組み合わせることで、文字列の長さを計算することができます。
例えば、A列に名前が入力されている場合、以下のようにLEFT関数とLEN関数を使用して、名前の長さを計算することができます。
=LEN(A1)-LEN(SUBSTITUTE(A1," ",""))
上記の式では、LEN関数でA1のセルに入力された文字列の長さを計算し、SUBSTITUTE関数で文字列からスペースを除いた文字列の長さを求め、その差を計算することで、スペースを含まない文字列の長さを求めることができます。
LEFT関数の代替手段として使える関数
LEFT関数は文字列の左側から指定した文字数を抽出することができる関数ですが、同様の処理をするためには他にも代替手段として使える関数があります。以下では、RIGHT関数、SUBSTITUTE関数、REPLACE関数について解説します。
RIGHT関数を使った文字列の右側からの抽出方法
LEFT関数が文字列の左側から指定した文字数を抽出するのに対し、RIGHT関数は文字列の右側から指定した文字数を抽出することができます。
RIGHT関数の基本的な書式は以下の通りです。
=RIGHT(文字列, 抽出する文字数)
例えば、「Hello, world!」という文字列から「world!」を抽出する場合、以下のようにRIGHT関数を使うことができます。
=RIGHT("Hello, world!", 6)
この場合、「world!」という文字列が抽出されます。
SUBSTITUTE関数を使った文字列の置換方法
LEFT関数やRIGHT関数は文字列を抽出するだけで、文字列を置換することはできません。文字列の置換を行う場合は、SUBSTITUTE関数を使うことができます。
SUBSTITUTE関数の基本的な書式は以下の通りです。
=SUBSTITUTE(元の文字列, 置換する文字列, 新しい文字列, 置換する回数)
例えば、「Hello, world!」という文字列の中の「world」を「universe」に置換する場合、以下のようにSUBSTITUTE関数を使うことができます。
=SUBSTITUTE("Hello, world!", "world", "universe")
この場合、「Hello, universe!」という文字列が返されます。また、最後の引数を省略すると、元の文字列中の全ての置換が行われます。
REPLACE関数を使った文字列の一部置換方法
LEFT関数やRIGHT関数は文字列を抽出するだけで、一部の文字列を置換することはできません。一部の文字列を置換する場合は、REPLACE関数を使うことができます。
REPLACE関数の基本的な書式は以下の通りです。
=REPLACE(元の文字列, 置換を開始する位置, 置換する文字数, 新しい文字列)
例えば、「Hello, world!」という文字列の中の「world」を「universe」に置換する場合、以下のようにREPLACE関数を使うことができます。
=REPLACE("Hello, world!", 7, 5, "universe")
この場合、「Hello, universe!」という文字が表示されます。
業務でよく使うLEFT関数の活用例
LEFT関数は、特定の文字数のみを取り出したいときに非常に便利です。特に、日付や時間などのデータの中から特定の部分だけを取り出すときによく使われます。たとえば、以下のような例が考えられます。
- 日付データから年を抽出する
- 時間データから時刻を抽出する
- 住所データから都道府県を抽出する
- 電話番号データから市外局番を抽出する
LEFT関数を使ったデータクレンジングの方法
データクレンジングは、データを正確に、かつ信頼性の高い状態に整える作業です。LEFT関数を使って、データの前半部分だけを取り出して整形することで、データクレンジングを行うことができます。たとえば、以下のような例が考えられます。
- 電話番号データの先頭にある不要な文字列を削除する
- 住所データの先頭にある都道府県以外の文字列を削除する
- ファイル名から日付を取り出して整形する
LEFT関数を使ったデータ解析の方法
データ解析においても、LEFT関数は役立ちます。LEFT関数を使ってデータを整形することで、分析がしやすくなります。たとえば、以下のような例が考えられます。
- 売上データから月ごとの売上を抽出する
- 顧客データから年齢別の顧客数を抽出する
- 訪問者ログから時間帯別の訪問者数を抽出する
LEFT関数は、データの前半部分を抽出するために使われることが多いですが、RIGHT関数を使うことで後半部分を抽出することもできます。また、MID関数を使うことで、データの中間部分を抽出することもできます。これらの関数を組み合わせて、より複雑なデータの整形や分析を行うことができます。
LEFT関数のトラブルシューティングと解決方法
LEFT関数が動作しない原因と対処法
LEFT関数が動作しない原因は、主に以下の3つです。
- 引数の設定が誤っている場合 LEFT関数に渡す引数に誤りがある場合、関数は動作しません。たとえば、第1引数に数値を渡してしまった場合、関数はエラーを返します。正しい引数を渡すようにすることが必要です。
- データの形式が異なる場合 LEFT関数は、テキスト形式のデータに対してのみ使用できます。数値や日付など、テキスト形式でないデータに対してLEFT関数を使用すると、エラーが発生します。
- 関数が含まれているセルが計算されていない場合 Excelでは、関数を含むセルが自動的に再計算されます。しかし、再計算されていないセルがある場合、関数が動作しないことがあります。この場合は、手動で再計算する必要があります。
LEFT関数の引数に誤りがある場合のエラーと対処法
LEFT関数の引数に誤りがある場合、関数はエラーを返します。一般的なエラーには以下のものがあります。
- #VALUE!エラー LEFT関数の第1引数に数値を渡してしまった場合、#VALUE!エラーが発生します。第1引数にはテキスト形式のデータを渡す必要があります。
- #NUM!エラー LEFT関数の第2引数に負の数を渡した場合、#NUM!エラーが発生します。また、第2引数に数値以外の値を渡した場合も同様のエラーが発生します。
- #NAME?エラー LEFT関数のスペルが誤っている場合、#NAME?エラーが発生します。LEFT関数のスペルが正しいか確認し、必要に応じて修正してください。
LEFT関数で抽出した文字列が不正な場合の修正方法
LEFT関数で抽出した文字列が不正な場合、修正する方法はいくつかあります。
- TRIM関数を使って余分なスペースを削除する LEFT関数で抽出した文字列に余分なスペースが含まれている場合、TRIM関数を使って余分なスペースを削除することができます。
- SUBSTITUTE関数を使って不正な文字を置換する LEFT関数で抽出した文字列
- には、不正な文字が含まれている場合があります。たとえば、半角スペース以外の不正な文字が含まれている場合、SUBSTITUTE関数を使って不正な文字を置換することができます。
例えば、以下のような式を使って、LEFT関数で抽出した文字列の中の「-」を削除することができます。
=SUBSTITUTE(A1, “-”, “”)
上記の式を実行すると、文字列の中から「-」が削除され、不正な文字が修正された文字列を取得することができます。
まとめ
LEFT関数の使い方と活用法のまとめ
・LEFT関数は、文字列の左側から指定した文字数だけ抽出する関数。 ・LEFT関数は、日付やCSVデータの加工、文字列の連結、データクレンジング、データ解析など、様々な用途で活用できる。 ・LEFT関数は、文字列処理の基本的な関数の一つであり、覚えておくと便利である。
LEFT関数の代替手段についてのまとめ
・RIGHT関数は、文字列の右側から指定した文字数だけ抽出する関数。LEFT関数と同様に、文字列処理に利用できる。 ・SUBSTITUTE関数は、指定した文字列を別の文字列に置換する関数。LEFT関数で抽出した文字列の置換に利用できる。 ・REPLACE関数は、文字列の指定した位置から指定した文字数だけを別の文字列に置換する関数。LEFT関数で抽出した文字列の一部置換に利用できる。
LEFT関数のトラブルシューティングについてのまとめ
・LEFT関数が動作しない場合、引数に誤りがある可能性があるため、引数を確認する。
・LEFT関数の引数には、文字列を指定する必要があるため、セル参照を間違えていないか確認する。 ・LEFT関数で抽出した文字列が不正な場合、TRIM関数やSUBSTITUTE関数を使って修正することができる。
LEFT関数の使い方と活用法のまとめ
・LEFT関数は文字列の左側から指定した文字数だけを抽出する関数である。
・LEFT関数は日付やCSVデータの整形、文字列の連結など、様々な用途で使われる。
・LEFT関数とIF関数、MID関数、LEN関数を組み合わせることで、より高度な文字列処理を実現することができる。
・LEFT関数の代替手段として、RIGHT関数、SUBSTITUTE関数、REPLACE関数などがある。
LEFT関数の代替手段についてのまとめ
・RIGHT関数は文字列の右側から指定した文字数だけを抽出する関数である。
・SUBSTITUTE関数は、文字列の中の指定した文字列を別の文字列に置換する関数である。
・REPLACE関数は、文字列の中の指定した位置から指定した文字数分を、別の文字列で置換する関数である。
・これらの関数は、LEFT関数と組み合わせることで、より高度な文字列処理を実現することができる。
LEFT関数のトラブルシューティングについてのまとめ
・LEFT関数が動作しない場合は、引数に誤りがある場合やセルの書式が数値型になっている場合がある。
・引数に誤りがある場合は、関数の書式を確認し、正しい引数を指定する。
・セルの書式が数値型になっている場合は、セルの書式をテキスト型に変更する。
・LEFT関数で抽出した文字列が不正な場合は、TRIM関数やSUBSTITUTE関数を使って修正することができる。
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