近年、5Gの普及により従来型の光回線が高コスト・手続きの煩雑さという理由で敬遠される傾向にあります。しかし、楽天モバイルと対応ルーターを組み合わせることで、月額約3,000円前後の低価格で快適なインターネット環境が実現可能です。本記事では、その具体的な設定手順、エリアカバーや通信速度の実データ、他社との比較、そして実際のユーザー事例を徹底解説します。
楽天モバイル固定回線化の概要
楽天モバイルの固定回線化は、光回線に比べて工事不要で即日利用が可能な点が大きな魅力です。SIMカードを搭載したホームルーターが、楽天の基地局からの電波を受信し、Wi-Fi環境を提供します。特に、初心者でも手順に沿って簡単に設定できる点が評価されています。
エリアカバー率と通信速度の実測値
楽天モバイルは、東京の黄色〜緑色のエリアを中心とした5Gカバーエリアをはじめ、関東全域、北海道、東北、中部、近畿、中国、九州、そして沖縄まで広範囲にカバーしています。以下の表は、実際に測定された通信速度の目安です。
通信方式 | 平均ダウンロード速度 | 平均アップロード速度 |
---|---|---|
5Gエリア | 150~250Mbps | 10~50Mbps |
4Gエリア | 20~50Mbps | 10~20Mbps |
【補足】オンラインゲームなど高負荷な用途には、5Gエリアでも適用外となる可能性があるため、利用用途に応じた選択が必要です。
光回線・他社サービスとの比較
楽天モバイルの固定回線化と、従来の光回線や他社のモバイル回線の特徴を比較すると、以下の表にまとめられます。なお、各社サービスの料金はおおよその目安となります。
項目 | 楽天モバイル | 光回線(例:NURO光) | ソフトバンクエアー |
---|---|---|---|
月額料金 | 約3,278円(楽天ポイント還元や家族割引適用で実質3,000円前後) | 約4,730円~5,720円 | 約5,328円 |
データ容量 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
通信速度 | 5G: 最大250Mbps程度 | 最大1Gbps | 最大350Mbps |
初期費用 | ルーター代:約17,000円~(モデルにより異なる) | 工事費:平均22,000円 | 工事費:無料 |
開通期間 | 即日~数日 | 1か月程度 | 即日~数日 |
具体的な設定手順と図解
楽天モバイルの固定回線化の設定は、以下の手順で簡単に進めることができます。※下記はテキストによる図解ですが、実際の設定画面のスクリーンショット等を合わせるとさらに分かりやすくなります。
- ルーターに楽天モバイルのSIMカードを正しい向きで挿入します。
(注意:SIMカードの向きに誤りがあると認識されません) - 電源を投入し、最初はオレンジ色のランプが点灯。約30秒後に上部のランプが緑色に、下部のランプが赤色から変化するのを確認します。
- パソコンまたはスマートフォンを利用して、Wi-Fiに接続後、ブラウザで「192.168.0.1」にアクセスします。
- 表示された設定画面で、デバイスに記載のパスワードを入力しログイン。
- APN設定: 「Router Settings」→「Profile Settings」→「New」を選択し、プロファイル名に「Rakuten」と入力、APNに「Rakuten.jp」と記入して保存。
- 作成した「Rakuten」をデフォルトプロファイルとして設定すると、設定完了となります。ルーターのランプが緑色に変わったら、インターネットに接続されます。
楽天モバイル固定回線化のメリット・デメリットと対策
メリット
- コスト削減: 月額料金が光回線と比較して大幅に低く、楽天ポイントや家族割引を活用するとさらに実質料金が下がります。
- 工事不要: SIMカード挿入と設定だけで、すぐに利用可能です。
- 持ち運び可能: ルーターを持ち運ぶことで、出張先などでもWi-Fi環境が構築できます。
デメリットとその対策
- 通信速度の制約:・5Gエリアではダウンロード速度は十分なものの、オンラインゲームなど高負荷な用途には向きません。・対策:高速通信が必要な場合は利用環境を5Gエリア内に限定する、または光回線との併用を検討。
- 電波状況のばらつき:・建物内や地下鉄などでは通信が不安定な可能性があります。・対策:Wi-Fi中継器や外部アンテナの導入、またはプラチナバンドの展開状況を確認。
- 同時接続台数の制限:・家族利用や多数のデバイス接続時に速度低下が見受けられる場合があります。・対策:必要に応じて追加ルーターの導入を検討。
実際の使用例(ケーススタディ)
実際に楽天モバイル固定回線化を導入した家庭でのケーススタディをご紹介します。東京都内の5Gエリアにお住まいのある家庭では、1か月あたり約283GBのデータ使用量が記録され、従来の光回線(月額約6,500円)と比較して約3,200円の通信費削減が実現されました。家族全体でSNS、動画視聴、リモート会議など一般的な用途に使用され、十分な通信速度が確認されています。
まとめ
楽天モバイルを利用した固定回線化は、低コストで柔軟なインターネット環境を求めるユーザーにとって非常に有力な選択肢です。工事不要で簡単に設定できるため、急な引越しや出張先でも手軽に対応可能です。一方で、利用シーンや環境によっては通信速度や安定性に課題があるため、用途に合わせた選択が重要となります。本記事で紹介した具体的な実測データ、比較表、設定手順、及び実際の使用例を参考に、自分のニーズに最適な通信環境を整えてください。
楽天モバイル固定回線化による爆速インターネット環境で、通信費を大幅に節約しつつ快適なネットライフを実現しましょう。
コメント